第三回
特選3句

履歴書が 畝一筋に 見え隠れ   長津田の太陽

   (評)畝ひと筋の作り方にこれまでの人生が窺える。


長ねぎは 冬場の鍋の 裏番長   一丁目

   (評)裏番長とは、言い得て妙。

菜園は 夫婦喧嘩の 避難場所   デミタス長津田


   (評)避難するのはたいてい夫の方か。


佳作は番号が赤字のものです。
番号 作  品 お名前
1 青虫に まるでサンゴの 春キャベツ 保土ヶ谷宿の小作人
2 朝もやに トマトの紅 うっすらと 北の農夫
3 汗流し 農具と共に 顔洗い モリトー
4 雨の日も 幸せ日和 畑仕事 長津田の太陽
5 雨を乞う 犬猫草木 天仰ぎ モリトー
6 異業種が 情報交換 畑の中 長津田の太陽
7 イチゴ拉致 アリが私に タッチの差 長津田の太陽
8 一番果 小さいけれど ナイスナス Hamahotaru
9 「何時迄も 畑にいるな」 夜盗虫 てんとうむし・だまし(偽瓢虫)
10 イラクでも ゴーヤできるかと 妻が問い 一丁目
11 植え時を ケータイで聞く 落花生 一丁目
12 旨いらしい 狸も食べに 我が畑 Hamahotaru
13 「美味しいね」 笑顔のひとこと 聞きたくて 北の農夫
14 美味しいと 自作野菜を 押し売りす Hamahotaru
15 美味しいらしい 狸も食べに 我が畑 Hamahotaru
16 親孝行 菜園探しは インターネット 堀内一家父
17 “おやつ”だと トマト出す母 思い出す 栗山
18 カマキリの 住み着いた苗 よく育ち 一丁目
19 空梅雨に 井戸気にする 一人前 てんとうむし・だまし(偽瓢虫)
20 変わりなし 昨日に続く 我が畑 てんとうむし・だまし(偽瓢虫)
21 旱魃や 害虫にも耐える 勇気(有機)かな 長津田小町
22 頑張れよ 大きく育てよ 栗かぼちゃ Hamahotaru
23 昨日もなす 今日もナス 明日も茄子 本田
24 初茸(きのこ) ほだぎに眩し 誇らしげ てんとうむし・だまし(偽瓢虫)
25 ”窮屈だ〜” 過密野菜が 抗議する 畑奈菜
26 今日もそう 畑仕事より 畑談義 Hamahotaru
27 気楽さで 通う畑も 四苦八苦 保土ヶ谷宿の小作人
28 経験を 積むほど不出来 ナス・トマト 栗山
29 耕運機 こんなに元気 負けられず 堀内一家父
30 これでもか 肥料で野菜 ノイローゼ 猿蟹合戦
31 ここがだと 書き残すこと おなじこと 保土ヶ谷宿の小作人
32 5連日 自作野菜が 卓を盛り Hamahotaru
33 菜園が 老後の夢を 育みし Hamahotaru
34 菜園は 夫婦喧嘩の 避難場所 デミタス長津田
35 菜園は 夫婦喧嘩の 調停所 デミタス長津田
36 作業より 倍の時間の ご休息 デミタス長津田
37 作不出来 やすらぎよりも ストレスに 栗山
38 作不出来 来期こそはと 夢は大 保土ヶ谷宿の小作人
39 作物も 足音聞いて 実り増す 長津田小町
40 雑草の コンクールの日 待ってます モリトー
41 雑草を 抜こうかこれは 新芽かな? 堀内一家次女
42 雑草の 種蒔いたかと 疑われ デミタス長津田
43 雑草の コンクールなら オラのもの モリトー
44 雑草は 小さなうちに 根こそぎに モリトー
45 雑草は 親の仇と 思うべき モリトー
46 雑草も ココマデくれば 天下一 モリトー
47 さて時候(シーズン) 糠がひめいを あげている 保土ヶ谷宿の小作人
48 「さて」と言い また座り込む 休憩所 一丁目
49 サミットは 畑でやれよ ブッシュさん 一丁目
50 七月の トマトは完熟 家計色 長津田の太陽
51 じゃが芋も インカやアンデス かな文字に 栗山
52 収穫は 原価計算 抜きとする デミタス長津田
53 収穫後 我が家に残る 一握り 長津田小町
54 十坪で 晴耕雨読と 妻笑う デミタス長津田
55 常識を 超える驚き 巨大野菜!! 堀内一家全員
56 スーパーの 野菜は何で 安いんだろう 猿蟹合戦
57 性格は 占いよりも 畑見よ 長津田の太陽
58 生産者 わかっていても 使われず てんとうむし・だまし(偽瓢虫)
59 狭き畝 我が家の縮図と 感心し 栗山
60 そよ風と 朝日背に受け 土遊び 長津田の太陽
61 大根よ 黒きしみあり 我のよう はるか
62 大根の 間引き損ない よく育つ 長津田小町
63 宅配で 野菜届ける 母心 Hamahotaru
64 宅配便 買うより高い 野菜となり Hamahotaru
65 種いもを よりもよったり 目をぬすみ 保土ヶ谷宿の小作人
66 種苗木 頂きものが 埋めつくす てんとうむし・だまし(偽瓢虫)
67 地下足袋を 踏みしめてつい プロ気取り 一丁目
68 チャットを シカトしている 夏野菜 てんとうむし・だまし(偽瓢虫)
69 蝶さんよ 隣のキャベツ 甘いぞ〜 てんとうむし・だまし(偽瓢虫)
70 土肥えて い出しみみずの 愛しさよ 長津田小町
71 定位置に 整理整頓 心晴れ モリトー
72 出来ぐあい 去年うなずき 今年ふる 保土ヶ谷宿の小作人
73 出来栄えは 掛けたコストと 比較せず Hamahotaru
74 どうするの 毎日キュウリ なす大根 栗林
75 どうしても 気になる隣の ミニトマト Hamahotaru
76 トマトの香 畑を漂う わき芽摘み 北の農夫
77 トマト摘み 幼き頃の 匂いする 栗山
78 長ねぎは 冬場の鍋の 裏番長 一丁目
79 なつかしや お化け胡瓜の 味豊か モリトー
80 夏野菜 お国訛(なまり)のレシピかな てんとうむし・だまし(偽瓢虫)
81 夏野菜 一年経って 先輩風 Hamahotaru
82 悩ましい 大根畑の ヌードショウ 長津田の太陽
83 縄張りの うちそとケジメ 大切に モリトー
84 2年目の 畑は何処も 賑やかに Hamahotaru
85 糠漬けの 茄子あざやかに 缶ビール 一丁目
86 ネギまいて 上からニンジン また撒いて 長津田の太陽
87 農機具の 整理整頓 お人柄 モリトー
88 軒先の 大小こぼれ日 玉葱の 保土ヶ谷宿の小作人
89 畑見て 性格わかる まめな人 長津田小町
90 ハタ川の ためにやってる わけじゃない デミタス長津田
91 畑仲間 異業種ゴルフも いいもんだ 長津田の太陽
92 春風に 誘われ急ぎ 苗を植え 堀内一家父
93 火付け役 家庭菜園 仲たがい 長津田小町
94 人恋し 畑恋しい 定年後 長津田の太陽
95 ひねキュウリ 追肥未納が 露見せり 一丁目
96 ひねくれた キュウリの出来も 自己責任 一丁目
97 不作とて 明日にがる アドバイス Hamahotaru
98 ふるさとの アンデス恋し トマト熟れ モリトー
99 平日の 畑はなんだか つまらない 一丁目
100 ボランテイア 世間でなくて 憎き虫 てんとうむし・だまし(偽瓢虫)
101 負け戦 亭主逃れる 里芋(いも)の蔭 長津田の太陽
102 マナーです 使った農具 一洗い モリトー
103 間引きする 畑にも迫る 成果主義 長津田の太陽
104 間引きする 大根の苗 己(われ)に看え 長津田小町
105 見落とした 手鏡ほしい 瓜(瓜)畑 てんとうむし・だまし(偽瓢虫)
106 見切り苗 愛情肥料で 特選品? 畑奈菜
107 麦わらを 吹き抜ける風 天下一 一丁目
108 もらい苗 育ててやっと 仲間入り 堀内一家父
109 紋白蝶 昨日の友は 今や敵 てんとうむし・だまし(偽瓢虫)
110 やりすぎの 肥料控えて 今日も飲む てんとうむし・だまし(偽瓢虫)
111 やれやれと 水やり終われば 夕立だ 堀内一家母
112 柔肌の 熱き血潮の マイトマト 一丁目
113 夕立や 雨雨降れ降れ もっと降れ モリトー
114 ラディッシュ 育て親には ルビーかな 堀内一家娘
115 履歴書が 畝一筋に 見え隠れ 長津田の太陽
116 留守三日 期待と怖さ 半々に モリトー
117 連作も 狭い畑の 泣き所 長津田小町
118 我が畑 孫と変わらぬ 思い入れ 長津田小町